2010年7月12日月曜日

論理はリアリティを含まない

論理はリアリティを含まない


突然ですが問題です
ジャジャン

【問題】
次のシナリオのうち、よりありうるのはどちらか.

ーーー
(A)米国とロシアの間の全面的核戦争

(B)米国もロシアも共に核兵器でもう一方を攻撃する意図はない状況であったが、イラクやリビア、イスラエル、またはパキスタンのような第3国の行為が引き金になり、全面的核戦争が起こる
ーーー

さてどっち?



思った方をコメントとかに書いてくれると
すごく勉強になるので教えてください!!


・・・

・・







さて
これは専門用語でいくと「代表性ヒューリスティック」という話題です
詳しい話が必要な人はgoogle先生にお世話になるとして



まずこの問題は、1993年アメリカのウェスリアン大学で心理学の権威であるScott Plousという博士がに行ったもので
その結果では、ほとんどの人が(B)の方を選びました.


これ↓
ーーー
(B)米国もロシアも共に核兵器でもう一方を攻撃する意図はない状況であったが、イラクやリビア、イスラエル、またはパキスタンのような第3国の行為が引き金になり、全面的核戦争が起こる
ーーー

しかし
起こる”確率”から考えると
実は、「(A)米国とロシアの間の全面的核戦争」
の方がより”ありうる”


ではなぜ人は(B)を選ぶのか?
というのが問題です






おk?



まず(A)の方がよりありうる、というのはなぜか
それについて説明してみたいと思います


それぞれが起こる条件を列記してみましょう

(A)では
1.)米国とロシアの間で全面的核戦争が起こる

一方で
(B)では
1.)米国とロシアはもう一方を攻撃する意図はない
2.)イラクやリビア、イスラエル、パキスタンのような第三国が引き金となる
3.) 1.)と2.)が合わさって、米国とロシアの間で核戦争が起こる

となり
(A)の場合では、ただ全面核戦争が起きればよいだけですが


(B)の場合では、お互いに攻撃の意図がない、とか第三国が引き金になるとか、(A)に加えて余計な要件がついてるだけなので
より条件は厳しくなっている

よって
(B)の方が”論理上”は起こる可能性が低い
というわけです



じゃあなんで
人は(B)を選ぶんでしょう?

・・・

・・




Answer:話が細かくなるほどもっともらしく感じる

まぁ結論は
それだけなんですけどwww



如何に論理的に正しい主張をしようが
話の”もっともらしさ”は別のところにある、ということ


・・・

・・





例えば
先生や上司に自分の意見を聞き入れてもらえない時

自分の意見が間違っているとか正しいとか
そういうことではなくて


意見の中にある情報量とか
あるいは、自分の信頼や肩書き
といったものが不足しているんですよ、と


そんな感じでしょうか




まとめ

たとえ正しい意見でも、それ自体はあまり価値がありません

どうしても通したい意見がある時は
論理ではなく、お話を作り込むか
またあるいは
信頼、肩書きを獲得するまで蓄えておきましょう

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