2012年2月11日土曜日

表計算に係る誤りについて


表計算に係る誤りについて

ExcelやLibreOfficeなどを使って表計算を行う場合、で如何にして誤りを防ぐか、という問題があるが、その準備段階として、表計算を行う場合の誤りについて整理することとした。限られた時間内での作業の上、一片のミスも許されない中では、誤りの生じる部分を網羅した上で如何にして誤りを防止していくかについて考えなければならない。

1.数値生成過程上の誤り
変換時の誤りの出現

表計算では成果としての数値を得るまでに、5つの段階がある。図1に示したように、まず表計算がなされる背景となる要求、それをどういう数値でもって要求に応えるかという意図、次に数値を形成するための論理を組み立て、続いてその論理を反映する表計算上の数式を記入する。そして結果として数値が生じてくる。具体的な例についても参照されたい。

図1:数値の土台



#1:誤りは変換過程で生じる
表1の土台で示した通り、、それぞれ要求から始まり意図→論理→数式→数値と変換されて、表の数値が完成されるが、誤りはこの変換の際に生じる。例えば、例1では要求は「投資家に投資してもらうための売上に関する資料が欲しい」であり、意図として「前期の売上高を算出する」という設定で十分であろうか?

・・・

前期1期分の売上高より、売上高の推移の方が重要であったり、あるいは売上高の予想の方が重要であるかもしれない。あるいは、概算でよいので素早く”今”数値が必要なのかもしれない。これは、要求を持っている人間と計算をする人間が異なる場合には、特に十分な要求の確認が必要とされることを意味する。

あるいは、例2で論理として「既存のレポートを参照する」とし数値では、「=2,116,543,282」となっているが、これは果たしてレポートの数値と完全に一致しているだろうか?目で見て書き写した場合、誤りが生じる可能性は少なくない。

このように、誤りはこの図1の5段階<要求→意図→論理→数式→数値>の中の変換(→)する際に生じてくる。

#2:効率的な誤り検出・修正
限られた時間の中で、十分な修正を施すために誤りの大きさについて検討する必要がある。
大きな誤りほど労力をかけて是正されるべきであり、そのために小さな誤りが見逃されることはあってもよいが、この逆はあってはならない。
誤りを検出するためにかかる労力は、図1で示した5段階のそれぞれで異なるが、手間のかかる作業をしたからといって大きな誤りが検出されるとは限らない。


問:エクセルに埋まった100×100の数値を手計算で検算するか?
しなくてもよいとするならば、それはなぜか?



まとめ
表計算に係る誤りについて、その基本的な内容について整理した。
そもそも表計算が必要とされた要求から、要求・意図・論理・数式・数値の5段階に分解できることを提案し、また誤りはこれらの変換過程にのみ生じることとした。
今後、誤りの検出や予防について知見をまとめることを期待する。

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